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日本労働評議会(労評) 神奈川県本部
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2024/05/04 (Sat) 06:47
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2022/11/10 (Thu) 17:30

qb

QB HOUSEで起きている思いがけぬ「中間搾取構造」

 労働者が生活をするためには、労働をすることが欠かせない。そして、労働は社会的なものであり、労働をすることで社会を支えている。その労働を提供する会社が、もし意図的に労働者の労働条件や賃金を差別していたとしたらどうなるだろうか。

 はたまた、使用者が求人情報と違っていたとしたらどう思うだろうか。それも、零細のワンマン社長ではなく、上場企業で起きていたとしたら? ―――「そんなことあり得ない」と思うだろうが、現実はそうでもなかった。それがQB HOUSE「古川エリア」から社会問題化したのだ


面接官が使用者?福利厚生が受けられない「正社員」


 理美容業界で大手であるQB HOUSEは、様々な求人サイトで理・美容師の求人募集をかけている。就職を希望する労働者からみれば、QB HOUSEを経営する会社が使用者となり、大手のブランドによる安定、安心の環境で働けると思っていた。しかし入社してみると、どこかきなくささを感じるシーンが多い。

例えば、
①雇用契約書が作成されていない
②入社後QB HOUSEではなく、古川マネージャーの個人事務所に雇用されていた事が分かった
③合意なく賃金が下げられてしまう
④入社後何年も経ってから雇用契約書にサインを求められる
⑤法人のはずなのに社会保険に加入させてもらえない

 挙げれば数多あるが、思いつくところだけでもこれだけある。なぜ大手のQB HOUSEでこんな問題が起こるのか?―――そこに大きな落とし穴があることも知らず、知るきっかけすら奪われていた。特に②は重大な問題であり、エリアマネージャーの存在が労働者の労働条件の差別、抑圧に繋がっていると認識できるためにはQB HOUSEの搾取構造を理解しなければならない


―――搾取構造のカラクリとは?

 QBは1200円カット一択のため、月間のカット数が分かればすぐ売上を計算できる。例えば800人カットすれば、

1200(円)×800(人)=960,000円

となる(厳密には消費税やツキイチキャンペーンの利用分もあるので、若干の変動はあるが概算は出すことができる)。

 人件費、店舗の光熱費、テナント料といった店舗運営に必要な経費があるが、営業利益(諸経費を差し引いた利益)が出るからこそ、利益を追及する「会社」として成立する。しかし、エリアマネージャーが使用者の店舗では位相が違うのだ。

エリアマネージャーが利益を奪っている!?

 売上の計算方法こそ同じだが、そこから必要経費を差し引いて営業利益を出すのではなく、売上の52%がQBネット本社からエリアマネージャーに支払われる業務委託契約を交わしている。たとえば、800人カットの52%は約50万円である。そしてエリアマネージャーは、獲得した50万円の中から労働者の賃金を支払い、残りを中間搾取してしまうのだ。

 なぜかというと、エリアマネージャーは店舗を所有せずQBネットから運営を委託されているだけなので、施設管理権を持たず、店舗を管理する費用は考えなくてよい。つまり、52%の利益から労働者の人件費のことだけ考えれば良いようになってしまっているのだ。

では、本来の労働者の賃金はどうなるだろうか?ここまで掘り下げて考えてみてほしい。

 800人をカットし50万円の利益を作ったとしても、社会保険にも入れず、賃金も見合っていないとなれば、浮いた利益がどこに行っているか? ―――エリアマネージャーに搾取されているのである。

 QBネットに直接雇用されていれば起き得ない問題だが、エリア労働者のなかで起きている。これがQB HOUSEの正社員を名ばかり正社員たらしめる諸悪の根源となっている。




エリア労働者は何をなすべきか?

 ここで「労評労働組合の団結の力」である。

 おそらく、漠然とした不安・不満が労働者の中に渦巻いており、エリアマネージャーが使用者だから「文句は言えない」「逆らったら何をされるか分からない」と思っている人がいるのだと思われる。

 何かあった時に相談できる組織は必要だし、場合によっては労働条件が改悪されないために労働組合として要求を掲げ、闘う道も考えられる。現に、労評QB分会の組合員は組合を作ってから労働条件が下げられることは無くなった。―――当然である。組合員の労働条件の不利益変更をするためには合理的説明と、具体的な証拠をもって使用者は説明しなければならず、上下関係を基礎とした威圧による不利益変更は違法行為であり、出来ないのである。

 労働組合に加盟するだけで使用者と対等な交渉が可能となり、納得のできない不利益変更に応じる必要もなくなる。過去に納得していないのに賃金が下げられた組合員もいるし、それによって労働基準監督署の監査まで入る事態となっている。しかし労基署は労働者の味方ではなく、あくまで労働基準法の違法性があった場合に司法警察員として機能し、監査、是正勧告、場合によっては逮捕などを行う機関であるため、労働環境をよくするという目的で動くわけではない。

 だからこそ労働者のための組織が必要であり、それこそが「労評労働組合」だ。

同じ職場で働くもの同士、団結して使用者の不当な行為をはねのけていこう!



日本労働評議会 神奈川県本部
委員長 佐藤 美悠人
労評QB分会
分会長 笠川 隆

TEL:090-2607-1152
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